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認知症の高齢者に見られる食事拒否の要因を探る

食事拒否という課題は、認知症の高齢者の介護を行っている際に多く直面することがあります。担当している高齢者に食事拒否の行動が見られる時には、まずはその原因について考えてみることが大切です。
高齢者が食事を拒否する理由には、目の前に出されたものを食事と認識できずにいることや、食事の仕方が分からない失認・失行といった症状が出ている可能性があります。このほか、体調不良や気分の落ち込み、嚥下障害などによる影響も考えられます。
このような食事拒否の状態は、認知症が悪化する要因にもなりかねない一大事です。担当している高齢者に、食事拒否の兆候が見られはじめた場合は、医師をはじめ認知症の高齢者の家族とも相談して状況の改善を試みます。
失認・失行が原因と思われる食事拒否に対しては、食事内容について説明しながら目の前で一緒に食べるというアプローチが有効です。食事のメニューについて話すことで食事に意識を向けてもらい、食事するところを見てもらうことで認知症の高齢者も同じように食べてくれることがあります。
また体調不良や気分の落ち込みが原因と思われる場合には、体温や服用している薬に変更がなかったかなどを確認します。この際には、できるだけゆっくりと話しかけるようにして、どこに原因があるのか表情を見ながら慎重に探るようにしましょう。
嚥下障害の場合には食事にとろみを加えるなど、飲み込みやすくすることで食欲が戻ってくる場合もあります。食事拒否の行動に対しては、焦らずにゆっくりと対処することが大切です。まずは、原因となっている要因を見極め、もう1度食事を楽しくとってもらえるようにさまざまなアプローチを試みましょう。