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高齢者の食事拒否は食事の見た目の工夫も試す価値あり

介護士の悩みのなかで大きいものは、食事拒否に関することです。嚥下障害を防ぐためにとろみ食を提供すると、見た目が悪く食べたくないと拒否されることがあります。また、認知症患者の場合、好物でも食べ物だと認識できなくなることや、食べること自体を忘れてしまうこともあり食事拒否に繋がります。
食事拒否に対しては、こういった背景を認識した上で向き合う必要があるでしょう。また、調理や配膳の工夫によって、食事拒否の傾向を抑えることも可能です。
介護士レベルで実践できる方法としては、調理方法や盛り付けの方法を変えることです。とろみ食を取り入れることや、小さくカットして一口を小さくするほか、盛り付け量を減らすことも大切です。介護食で柔らかく調理された食品を使って、見栄え良く盛り付けることでも食欲が湧く場合があります。
食器を白に変えて食べ物の認識を高めることも一案です。介護用のスプーンやフォークを使って、自分で食べたい気持ちを尊重することもよいでしょう。
高齢者の中には「エプロンの着脱が嫌だ」といった自尊心に関わる理由で食事を拒否する人も見られます。衣服のようなエプロンを採用するなど、僅かな工夫で食事がスムーズにつながることもあります。また、適度に運動をしてもらうことも食欲増進の引き金となります。テレビ体操や散歩などを取り入れましょう。
食事拒否が続くと、胃ろうや経鼻栄養など別の方法での栄養摂取を検討する必要があります。口から食べることで健康を保てるところがあるので、ケアマネや栄養士、リハビリの専門家と相談をしながら食事拒否の回避案を模索しましょう。